(日御碕灯台を探究より続く)

 

12月17日(水)老松の最期を見届ける

 

積雪の風景を期待して東北道を走る。途中、雪深い1月と秋晴れの10月に撮影した天童高原に程よい積雪を期待して立ち寄るが雪が少ない。10月にマツ材線虫病で赤く枯れ上がっていた「田麦野のかさまつ」は完全に葉を落としてしまっていた。推定樹齢は600年以上と言われており、枝張りが東西南北とも約22mにも及ぶ見事な姿だった。久米の五枝のマツに続いて、老松の最期に立ち会ってしまった。明日の津軽平野に向けて少し余裕があったので、しっかり体を温めるつもりで赤倉温泉「おくのほそ道」と鳴子温泉「滝の湯」と欲張って温泉のハシゴをして紫波サービスエリアまで走った。しかし、どうやら湯冷めしてしまい裏目に出てしまった。

 

いのちを終えた田麦野のかさまつ(撮影:Hasselblad 907X CFV II 50C + XCD4/45P)

 

12月18日(木)津軽平野に雪がない

 

珍しく旅先で体調を崩し始めてしまった。気力で回復させるべく五所川原市に向かうが雪がなく気力に影響を及ぼす。今回の目的地とも言える津軽鉄道の毘沙門駅も全く積雪がない。これまで雪化粧しか見ていなかった津軽の老松たちもみんな晩秋の装い。頭を切り替えて積雪が期待できる秋田の山間部へ南下し八幡平市の雪化粧の「千手赤松」を撮影。体力の回復を期待して硫黄臭が強い「森の湯」に入り前森山パーキングエリアに至るが思うような回復はできず。

 

12月19日(金)天狗の三本松

 

ますます不調でゆっくり動き始める。気力で体調を戻すべく雪が浅いならまだ通行止めになっていないだろうと期待して二戸市の「天狗の三本松」へ。ここは国道から山中に入っていく脇道が除雪されないため春まで通行止めとなるが、この程度の積雪であれば轍が残り走行できる。浅い雪を踏み締めて汗ばむ程度で山中を歩き、前回の2024年4月よりも柔らかい日差しと多少の積雪もありいいコンディションで撮影できたと思う。こうして体を動かして撮影に集中できると体調も良くなってくるのだが今回は思ったほど回復してくれない。しかし青森の太平洋側に抜けて、宿題になったままの種差海岸に日没前に到着。撮影を終えて体調を崩している時の温泉は逆効果だと考えて、種差海岸の展望台の駐車場で早めに車中泊とする。

 

12月20日(土)終日種差海岸

 

夜明け前から東山魁夷「道の碑」からの中須賀海岸を中心に撮影。葦毛崎展望台の松越しの中須賀海岸。うみねこラインの碑がある高台からの大須賀海岸。白岩、淀の松原、天然芝生地。それぞれで松が存在感を発揮する撮り方を探究。青森県は全県で松がつくりだす景観が残っており、各地に松の名所と言える場所があることがわかってきたが、ここ種差海岸は中でも指折りの松の名所と言える。モノクロでの作品づくりなので、夏の盛り。冬枯れ。雪化粧。この3つの季節で押さえておきたい。8月に夏の盛りをまずは収めたので今回は冬枯れである。日没後は水平線に真冬の漁火が並んだので松越しに撮影。日の出前から日没後まで撮影を続けた。夏の撮影で掴むものがあり、この地に別荘がほしいと思うまで気持ちが入っているのだ、この松の名所でどんなシーンが得られるのか、できるだけ足を運びたいと思う。

 

葦毛崎からの中須賀海岸(撮影:Hasselblad 907X CFV II 50C + XCD4/45P)

 

12月21日(日)旅先で初ダウン

 

日の出前から東山魁夷「道の碑」からの中須賀海岸を撮影。天候も小雨が降るなどで体調がいよいよ怪しくなり、昼前から車で横になるが回復せず終日寝てそのまま車中泊。

 

12月22日(月)久慈市まで南下し種差海岸に戻る

 

夜明け前から横殴りの風に雪が混じる。明るくなってくるとうっすら白くなっているのが見えてくるが太陽と共に消えていく。気分転換に南下し岩手県洋野町にある有家駅に向かう。さらに南下し久慈市のあまちゃんロケ場所に近い「つりがね洞」。ここも岩場と松の印象深いロケーションで、バリエーションとして押さえておきたい場所なのだ。日没まで粘って体が冷えたので洋野町の山中にある大谷温泉。洋野町では唯一でラドン濃度が高いようだ。源泉は10.3℃。これが吉と出ることを祈る。種差海岸の展望台駐車場に戻り車中泊。

 

12月23日(火)種差海岸から普代村へ

 

夜明け前から東山魁夷「道の碑」からの中須賀海岸。多様な日の出の光と空を撮影したことになる。良いものが残ってくれていることを願い南下を始める。久慈市の山中に佇む「久喜のアカマツ」。2024年4月に訪れたが雑木の新芽が出始めて撮影に苦労したので今回の冬枯れでの撮影でようやく姿を捉えることができた。推定樹齢は不明だが幹回りは4.7mほどあり樹形も迫力がある。さらに南下して普代村にあるネダリ浜で岩と松の構図を探究する。岩手の沿岸部には岩場と自然植生のアカマツによる名所が圧倒的に多い。今回の撮影はここまでで終了とした。

 

久喜のアカマツ(撮影:Hasselblad 907X CFV II 50C + XCD4/45P)

 

(へ続く)